モンゴルの西部に住むカザフ民族の伝統的な刺繍です。現地にて買いました。日本ではほとんど取り扱いがないと思います。遊牧民が住むゲル（カザフ語ではウイ）の内部の装飾に使われていたビンテージのものです。1973年制作とあります。カザフ刺繍は、ウズベキスタンのスザニと雰囲気が似ていますが、かぎ針を使ってチェーンステッチで模様が描かれているのが特徴です。生地、糸ともにおそらく綿だと思います。糸はこの時代東ヨーロッパから輸入されたものを使っていたと聞いています。実際に使われていたものなので、ヤケや破れ、色あせ、生地のシワなどが見られます。また、埃っぽいにおいと、モンゴルチーズの匂いがします。（一度洗ったのですが完全には落ちませんでした。）アンティークに慣れた方におすすめします。布の下のほうが処理されていないのはわざとです。切りっぱなしにして「終わりがない＝永遠」を表すそうです。近代は刺繍の担い手が減ってきていて、大変貴重な品です。クッションカバーやポーチなど作ってみてはいかがでしょうか。赤い囲いの中の刺繍部分は180センチ×90センチほどです。即購入も可能です。よろしくお願いいたします。